教育改革市民フォーラム

一部の妄想者たちの策謀

事務局 三浦 孝啓

 意見をもつことはいい。主張することもいい。しかし、自分の意見や主張が通らないからといって、他の意見に耳も貸さずに実現しようとすることは、困ったことだ。
 
 それも、国会や審議会の結論が出ているのに執拗に追求するとしたら、民主主義などないに等しい。この端的な例が、教育再生会議に巣食った一部の妄想者たちである。

 2000年12月、首相官邸に置かれた私的な諮問機関「教育改革国民会議」は委員の数に等しい「17の提言」をまとめた。そのなかに、高校卒業前に大学に入学することができる「飛び大学入学」の拡大があった。また、教員免許更新制の可能性を検討するよう文部科学省に要請する内容も盛られていた。

 前者に関して文部科学省は全面的に受け入れ、大学のみならず短期大学や専修学校までにも拡大する法律案を2001年に国会に上程した。さすがに国会はこれを否定し、大学院をもつ大学に限定する修正案を与野党で可決して良識を見せた。免許更新制に関しては、中央教育審議会が問題や課題が多いことを指摘し、2002年の国会は、更新制にかわる「教職10年者経験研修」の導入を認めた。これが、国権の最高機関としての国会の意思である。

 ところが、安倍内閣になって発足した「教育再生会議」は、まずは教員免許更新制の導入を迫り、義務教育費国庫負担制度維持の見返りに文部科学省を屈服させている。官邸の強硬さに中央教育審議会委員もさじを投げ、「君子は豹変する」といって中心メンバーが賛同していったことは、密かに流れる内部情報である。

 さて、「教育再生会議」の第三次報告は、またしても「飛び大学入学」の拡大を迫っている。早期英才教育にかぶれた一部の妄想者たちのなせるわざである。この妄想者たちは、森首相当時から政治パーティーにひんぱんに通い、権力におもねりながら自己主張の実現をはかってきた。情けないことである。

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